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受注業務とは?
業務内容と効率化がもたらす3つのメリット

  • 働き方改革

改善を図りたいが、どこから手を付ければよいのか、どのような手段があるのか分からない…企業の成長や注文方法の多様化とともに、徐々に複雑化し気づけばブラックボックス化してしまった受注業務に頭を悩ませていませんか?本コラムでは、受注業務によく見られる課題とその解決手順についてご紹介いたします。

目次

  • 受注業務の流れ

(1)リードタイムが短縮できる
(2)ミス防止で業務品質を向上できる
(3)業務量が削減されることでコア業務に専念できる

  • 業務の属人化
  • 関係部門との調整不足
  • システム連携の未整備
  • 業務を可視化する
  • 業務を標準化する
  • 解決アクションを決める
  • 現場の理解を促すこと
  • 解決策別の注意点

受注業務とは

受注業務とは、製品やサービスなどの注文受付から販売管理システムへの入力、倉庫や工場への出荷指示までの一連の業務を指します。企業によっては、販売管理に含まれる請求書の発行までを指すこともあります。

受注業務の流れ

一般的な受注業務の流れを解説します。

  1. 1.
    見積

    顧客の要望にあわせて見積もりを作成します。合意が取れたら注文書を作成します。

  2. 2.
    注文受付

    注文内容に問題がないことを確認します。受注方法は、電話、FAX、メール、EDIなど複数の注文方法が用意されているのが一般的です。

  3. 3.
    在庫確認、連絡

    在庫を確認し、納期を顧客に連絡します。在庫がない場合、納品時期について顧客や仕入先と調整した上で発注します。

  4. 4.
    受注伝票の作成

    納期を含む受注内容について合意が取れたら受注伝票を作成します。Excelや管理システムで受注管理を行っているケースがほとんどですので、データ入力を伴う作業となります。数量、金額など注文内容と相違ないことを確認します。

  5. 5.
    出荷指示・納品

    納期日に間に合うように、出荷指示を出します。期日に商品を指定の場所へ納品します。

  6. 6.
    請求書の発行

    納品が無事完了したら請求書を発行します。納品書、検収書、受領書、領収書などを発行する場合もあります。

受注業務を効率化する3つのメリット

では、これらの受注業務を効率化するメリットはどのようなものがあるでしょうか?
主に3つのメリットがあると考えられます。

(1)リードタイムが短縮できる

システムを導入もしくは各々の業務のシステムを連携することで、注文から納品までの期間いわゆるリードタイムを短縮できより多くの売り上げをあげることができる体制が整います。納品までのリードタイムが短縮できれば顧客の満足度も向上します。
また、タイムリーに在庫管理ができるようになると、需要予測の精度も高くなり適正な在庫で運用できるようになるというメリットがあります。

(2)ミス防止で業務品質を向上できる

受注業務は多くの人が介在するため、ミスが発生しやすくなります。ミスの発生はリカバーするための時間や手間を生じるだけでなくお客さまへご迷惑が生じることにもなりかねません。ミスを防止するという観点での効率化は重要でしょう。システム上制御することで防げるミスもあります。

(3)業務量が削減されることでコア業務に専念できる

受注業務は売り上げを立てるためには必要な作業ですが、売り上げを伸ばしていくためには受注に至るまでの過程に十分な時間が充てられることが理想的です。営業部などでは受注後の作業をいかに効率的に進めるかを検討することで、新規受注獲得(コア業務)に専念する機会を増やすことにつながるでしょう。

受注業務の課題

受注業務は効率化が難しい業務と言えます。なぜなら顧客との調整はもちろん販売管理や仕入れ管理との連動が必要な場面が多く、かつある程度限られた時間内で処理を進める必要があるからです。顧客や仕入先ごとに帳票や業務の進め方が違うのが通常ですので、ブラックボックス化しやすく、効率化を図るのも難しくなりがちです。
ここからは具体的によく発生する課題について見ていきましょう。

業務の属人化

上述の通り、処理を進める上で関係者とのやり取りが多く、時間も限られているので特定の人が対応するというケースが多くなります。属人化が進みやすい環境にあると言えるでしょう。それが長期にわたると業務がブラックボックス化するだけでなく、部分最適が進み、あの人でなければ分からないという状況を作り出します。

関係部門との調整不足

先述の通り、受注業務を起点に在庫管理、仕入管理業務などが連動します。しかしそれぞれ管轄が違うために連携がうまくとれていないケースがあります。例えば、注文をうけてから仕入先に発注する商品の場合、販売システムに受注を入力すると自動的にしかるべき仕入先に注文が飛ぶ仕組みになっていたとします。しかし、納期は自動反映されない仕組みだったらいかがでしょうか。受注管理業務部門から仕入先管理部門に確認が必要となってしまいます。こういった小さな調整不足が、効率化を妨げていることがあります。

システム連携の未整備

関係部門との調整不足と近しいものではありますが、それぞれで利用しているシステムが違う場合、データの転記作業が複数回発生することがあります。作業が多いということはミスを発生する可能性を高めることにもなります。効率化を図るにはこういった重複する業務を見直していくことが有効です。

受注業務における課題の解決手順

業務を可視化する

ブラックボックス化した業務はボトルネックになっている箇所が見えなくなっている状態です。まずは、業務を可視化し全体像を把握することが必要です。いろいろな業務の「どこに」「どのようなボトルネック」が、「どれくらいあるのか」を把握することで、効率化に向けて改善を図るべき箇所の優先順位が明確になります。具体的には次の項目についての度合いを数値化し比較すると優先順位が決めやすいでしょう。

業務負荷 どの業務にどれだけ時間がかかっているのか
→業務負荷の高いものから始めると効果が高い
属人化 一人のみが実施している業務
→業務リスクの確認、無駄・優先度の低い作業の確認
スキル 全体の業務量に対し必要なスキルレベルがどのような割合で存在しているか
→スキルバランスの見直し、リソース配分の見直し
コスト かかる時間が分かることで、おおよそのコストが分かる
→費用対効果の確認

業務を標準化する

受注業務にありがちな属人化や部分最適を極力取り除き、プロセスの標準化に努めます。
可視化を通して改善が必要な箇所が見えてくるので、具体的にどのように改善するとより標準化を進められるのかを検討します。システムの連携見直しなどもこれに含まれます。重複を避け、無駄を省いたフロ―を作成します。

解決アクションを決める

改善のためにどのようなアクションを取るかを決めます。
不要な作業を取り除く、システムを導入する、RPAを活用する、アウトソーシングを検討するなど実際の解決アクションは幾通りか考えられると思います。予算や体制を考慮してどの方法で解決を図るのかを決定しましょう。

受注業務の効率化を成功させるには

受注業務の効率化の進め方はイメージいただけたでしょうか?
ここからは、受注業務の効率化を進めるにあたって注意いただきたい事項を解説します。
効率化を進めるということは現状に変化を加えるということでもあります。スムーズに新しい体制に移行し成功させるために次のような点に留意いただくことをおすすめします。

現場の理解を促すこと

業務プロセスを見直すことは現場作業に変更を生じさせることになります。
見直しの推進側と実際の作業者である現場の方が違う場合、見直しの方向性やプロセスについて理解が一致しないまま効率化プロジェクトが進んでしまうことがあります。現場の意見が反映されていないことで、思わぬ非効率な作業を発生させてしまうなどトラブルが発生することもあります。現場と一緒になって検討する、理解を促すことを意識して取り組んでいただくとスムーズに移行が進みます。

解決策別の注意点

ITサービス利用時

新しいシステムの導入、既存システムの連携などITサービスを活用した改善を図る場合、「費用対効果が見込める」「適切な機能を備えている」という広い視点だけでなく、現場の実際のフローと照らし合わせて操作性などに問題がないかなど現場目線での検討も十分に行うことが必要です。自社にすべてがぴったりというシステムは稀であり、どこが譲れない部分でどこが妥協できる部分なのかはしっかり関係者で共有したうえで検討しましょう。

アウトソーシング利用時

アウトソーシングを活用際の検討ポイントとしては、納期、価格が中心となりがちですが、委託したい内容を得意分野としているのか(専門性、実績)、セキュリティ管理体制はどうか、委託したい業務のボリュームに対応できるのか(キャパシティ)、継続してサービスが提供できる体力・体制を持ち合わせているか(本業に付随して提供されているサービスなどの場合はサービスが打ち切られるケースもあります)といった観点でサービスの利用を検討するとよいでしょう。

まとめ

ここまで受注管理業務について解説してきました。どのような課題や解決策があるのかご理解いただけましたでしょうか?

受注業務は多くの関係者との調整が必要なことから標準化が難しいと考えられてきましたが、それはあくまで長い月日をかけてブラックボックス化してしまったからであり、ひとつひとつ紐解くことで効率化を図ることは可能です。
人材の確保が年々難しくなっていると言われる中、事業拡大、新規売上の創出にリソースを確保することは企業にとって重要になってきます。まずは受注業務の効率化を図ることから始めてみませんか?

キヤノンマーケティングジャパンでは、受注業務のアウトソーシングサービス「受注業務BPO」をご提供しています。お客様のニーズや状況にあわせてご要望の範囲をお受けするオーダーメイド形式で、業務の調査・分析を通して最適な業務プロセスを再構築するところからご支援しています。お客さまの受注管理業務の効率化を強力に推進します。

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受注業務でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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