レーザー干渉計 Sシリーズ|光源オプション光学計測機器
3種の光源オプションをラインアップ
- お客さまの用途により光源ユニットの選定が可能です。
- 光源はファイバーを用いた外付けタイプを採用しており、干渉計本体を増設せずともÄpre社の提供する多様な光源(標準レーザー/SCI光源/波長変調光源)の使用が可能です。
SCI(Spectrally Controlled Interferometry:スペクトル制御干渉法)ユニット
Äpre社の独自開発技術であるSCI(スペクトル制御干渉法)を可能とするオプションです。
SCIは、精密計測の課題である平行平面板やプリズムなど、試料裏面によるフィゾー干渉への影響を除去します。測定における不確かさを向上させるだけでなく、従来の裏面処理(ペイント、テープ、荒刷り)が不要となり時間と手間を軽減します。
さらに、最小で100ミクロンの試料までの“厚さばらつき測定”、“表面分離”が可能です。
波長変調光源ユニット(SRW)
波長変調光源ユニットの追加、搭載により、機械的な位相シフトを不要とします。大口径の球面原器や平面原器を利用する干渉計測に有効です。光学厚み約20mm以上の平行平面板単体の、内部干渉縞計測を可能にします。さらに、薄い平面板(ウインドウ、フィルター基板、プリズム等)の裏面干渉縞を除去した測定は、“SCI” ユニットが優位ですので、そちらを参照ください。
近赤外/赤外光源ユニット
近赤外光用途で使用する光学システムの測定に対応します。
特注光源波長帯の例:1053nm 1064nm 3.39um etc.
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使用波長帯に適した内部光学パーツの搭載が必要となる為、光源切り替え不可の専用機としての提供になります。
SCI(スペクトル制御干渉法)の原理
コヒーレント光
コヒーレント光源を使用した場合、OPD(光路長差)に依存せず、常に干渉縞を得ることができます。
しかし、その特性により平行平面板などを測定する際には複数の干渉縞が同時に発生してしまいます。
インコヒーレント光/白色光
白色光を使用した場合はスペクトル幅が広いためコヒーレンス性が低く、干渉深度が狭くなります。
その特性により、OPDがゼロとなるサンプル位置でのみ干渉縞が発生するので、平行平面板などの測定の際には各波面ごとに干渉縞の抽出が可能になります。
ただし干渉深度が狭いため、各波面毎の干渉縞の抽出には緻密な機械的アライメントが必要になります。
以下にコヒーレント光源と白色光の比較を示します。
コヒーレント/レーザー 干渉計 | インコヒーレント/“白色” 干渉計 | |
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光源 | レーザー(単一波長) | 広帯域光源 “白色光” |
干渉縞発生の位置 | 位置はどこでも可 | 決められた位置 |
2次的干渉縞の発生 | 時間的にコヒーレントが継続 (Lcoh>Lcav) | コヒーレンスのエンベロープ外では継続できない |
調整の難しさ | 比較的容易 | 難しい |
共通光路/収差キャンセル | 共通光路:フィゾー(Fizeau)型干渉計 | 共通光路:マイケルソン(Michelson)型干渉計 |
SCI光源
SCIではウィーナーヒンチンの定理に紐づくスペクトル密度とコヒーレンスファンクションの関係性に基づき、光源の周波数スペクトルの制御により干渉縞の発生位置とその干渉深度を決定します。
以下はOPDに対する光源の周波数スペクトルと干渉縞コントラストエンベロープの関係図になります。
このように光源の周波数スペクトルを変化させると、図のコヒーレンスファンクション中に●で示した「サイドバンド」と呼ばれるOPDがゼロでない位置に発生するバンドを任意のOPDに出現させることができます。
このサイドバンドを用いた位相シフト測定を行うことにより、機械的アライメント無しで多重干渉縞の発生するサンプルの任意波面のみの測定が可能になります。
以下は、前述のスペクトル密度とコヒーレンスファンクションの間で成り立つ関係式です。 SCIでは、光源スペクトルの帯域幅(Ws)と周期(Ps)を電気的に制御し、干渉深度(Wi)と干渉発生位置(Di)を決定します。
SCI(スペクトル制御干渉法)による計測概要
コヒーレント光源で図1の平行平面板を観察した場合、図2の様に多重干渉縞が発生します。
図2の様に多重干渉縞が発生した状態では、従来の位相シフト法による測定は干渉縞コントラストエンベロープの複雑化の観点より不可です。
SCI光源を用いて、前述の通り光源スペクトルの制御により干渉縞発生位置、干渉縞深度を調整した際の様子が下図になります。
下図の様に干渉縞を分離することで各波面での位相シフト法による測定が可能になります。
また、SCI測定ではメカニカルなシフトを必要とせず、光源の電気制御で位相シフト法による測定を行います。
波長変調光源ユニット(SRW)の概要
波長変調光源を用いた位相シフト法は、ピエゾ素子によるメカニカルシフトを必要としません。
下図のように基準面と測定対象物との距離(L)に対して適切な波長変調量分、光源波長を変調させることで、メカニカルシフトを用いた際と同様の位相シフトを行います。
また、Apre社の提供する波長変調測定は、自動でLを認識するため、数値の手入力は不要となります。
波長変調測定は基準原器の駆動という制限から解放されるため、ピエゾ素子を用いた駆動が困難な大口径基準面を用いた測定に有効です。
また、基準原器とピエゾ駆動部が一体でなければならないという制限からも解放されるため、基準原器を自動交換するシステムや自作原器の使用等、基準原器のセッティング面の自由度が高まります。
- メカニカルシフターを用いた位相シフト測定
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- 波長変調光源を用いた位相シフト測定
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