まさに一食入魂。
食いしん坊の気ままなおうちごはん。


text : Miyako Takayama
photo : Mariko Ohya
幼い頃から「とにかくごはんの時間が待ち遠しかった」とチャーミングに笑う、モデルの高山都さん。待ちきれなくて、はやく食べたくて、積極的にお母さんを手伝っていたそう。「いただきます」の号令とともに始まるのは至福のひととき。大きくなった今でも、ごはんに対する情熱は冷めやらない。食べるのも、作るのも大好き。マイペースで伸びやかに日々のごはんを楽しむ高山さんのおうちごはん、覗かせていただきました。
プロフィール

ナチュラルボーンごはん好き
きょうは何を食べよう。
食いしん坊のワタシが朝起きて思うこと。
いや寝る前にも翌日のゴハンのことを考えているか。
食べるのが好きなのは、子供の頃からだ。
一食に対しての執念がすごかったと自分でも思い出して笑ってしまう。
どんなに眠くても、母が起こしに来ると、家族の誰よりも先にテーブルにつき、なんならはやく食べたいが為に、台所の母を手伝った。

目玉焼きにはケチャップ(意外ですよね)とか、絶対お米では牛乳を飲まないとか、子供のくせに、ちゃんと食に対する姿勢や意識に妥協がなかった。
私とは反対に、朝が弱い妹は、テーブルの前でも寝ていたり、夜だってご飯に味噌汁かけるものが大好物だったりする子だった。
そんな私は、37歳になり、未だ結婚もせず悠々自適の一人暮らしをしているが、やっぱり美味しいものに対して、食べることに対してのこだわりは変わっていない。
20代の頃は、コンビニや簡単なもので済ませることもあったけど、37歳にもなると、1日に必要なカロリーは限られている。
どんどん省エネで生きられるようになってくるもんだから、食べられる量も限られる。
だったら、美味しいものを選びたい。笑
とは言え、自分の食事に対して、調理を何時間もかけたり、大枚はたいて食材を用意するのもなんか……違う。
そういうものは、レストランでプロに頼る!
これも、私の小さなこだわり。
制限があるから、たのしい
おうちごはんは、この限られた空間と食材でどんなものが作れるか……そんなゲーム感覚で取り組んでいる気がする。
とうとう好きが高じて、自宅でも育て始めた大葉は、松の実とパルメザンチーズでジェノベーゼに。
材料を混ぜてミキサーで撹拌するだけ。
緑色が美しいジェノベーゼソースは、パスタはもちろん、素麺を和えても良いし、白身魚と合わせてカルパッチョにしても良い。
アボカドやタコと和えたり、ポテトサラダに使うのもオススメ。

このジェノベーゼソースは、ストックしておくと何かと便利で、我が家の冷蔵庫のスタメンになっている。
簡単に出来て、時間がない日に頼りたくなっちゃう心強い存在だ。
仕事が忙しくなってくると、冷蔵庫の中で哀しそうに日々を重ねていく野菜も出てくる。
色が変わってきたパクチーは、サッと茹でてザクザク刻んで、魚醤とレモンとオリーブオイルで食べるドレッシングに。
茹でたお肉やお刺身、お豆腐にかけても美味しい。
体の声も聞きつつ、なんとなくの栄養バランスを考えつつ、目もお腹も喜ぶようなものにしよう。
どうせ食べるなら、美しくなきゃ!

お料理の腕だけじゃなく、時々うつわの力を借りることもある。
美味しいものは、だいたい茶色い。
唐揚げに春巻き、ハンバーグ、チャーハン。
そんなメニューには、寒色系のお皿を合わせる。

実はブルーのお皿はとっても使える。
ハッとするぐらい鮮やかなブルーは、茶色をぐっと格上げして見せてくれる。
作り置いた常備菜も、盛り付けひとつで毎日楽しみ方が変わる。
ある日は、ワンプレートごはんスタイルに。
ある日は、豆皿や小鉢にちょこちょこ盛って、おばんざい屋さんみたいに。
同じものを、ただの作り置きだと食べるよりも、小さな変化を入れて、毎回食べることを楽しめたら、常備菜も最後まで美味しい。
この数年間で、日本だけでなく世界から集めたうつわたち。
ロケのたびに、色んな土地で一目惚れしては、えっちらおっちら連れて帰ってきた私の愛おしい宝物たち。
このチームで自分が喜ぶごはん、何ができるか!そう考えると、面倒な作業もワクワクに変わる。

それが、いつの間にか、自分にとっての愛おしい時間になった。
ぼんやり起きた朝も、疲れて帰ってきた夜も、ちょっと良いことがあった日も、なんにもない普通の日にも、自分のためにごはんを作る。
成功する日も、なんだかイマイチ決まらない日もある。
でも、やっぱり自分で作るごはんって、なんだか愛おしい。
それが、いつか誰かのために、できる日が来るとよいけど、今はこの自由気ままな愛おしいおうちごはんを、まだまだ楽しめたらいいな。

おうちごはんを写真におさめる
好きなものを飾ったり、写真に残したり、アルバムにしたり。あなたの「好き」をかたちにするアイデアをご紹介します。
スマホでおうちごはんを撮る
スマホで撮るおうちごはん。料理に添える布を変えるだけでも写真の印象ががらっと変わります。
料理写真は光がポイント
光の方向をコントロールしてキラッと光るハイライトを入れたり、立体感を出しておいしさが伝わる写真を撮ってみましょう。