1970年代、ひとこま漫画家としてデビューし、ほのぼのとした中にもシニカルなユーモアが漂う独自の世界を、イラストレーションからアニメーション、絵本へと広げてきた古川タク氏による映像展です。古川氏は、劇場や放送向けの短編アニメーションを制作する傍ら、映像玩具やアニメーションを用いて展示空間全体をひとつの作品に仕上げるインスタレーションも多数発表しています。
本展は、1990年代後半に一世を風靡(ふうび)したプリントシール機と、しばしば観光地に設置されている、顔の部分に穴の開いた記念撮影用ボードから着想を得ています。投影されたシンプルな筆致の「動く絵」の前で来場者が自由に記念撮影をするという、ギャラリー全体が舞台装置となった映像作品展です。撮った写真は、会場内に用意したキヤノンのインクジェットプリンターでシール用紙に印刷し、プレゼントします。
キヤノンギャラリー古川 タク 展:クリプリ*クリプラ~行こう行こう記念撮影!~

開催日程 | 会場 |
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2007年7月6日(金)~8月20日(月) | キヤノンギャラリー S(品川) |
作者メッセージ
イラストレーター、アニメーション作家として活動を続けてきた古川タクは、また1970年代からアニメーションを軸にしたインスタレーションにも興味を持って制作を続けてきた。今回の個展もそれらの延長線上にあるもので、なんの仕掛けもない最もプリミティブなメディアアートを目指す。気分は温泉などの観光スポットによくある穴から顔を出す記念撮影用の立て看板である。クリプリ*クリプラの曲(音楽:フルカワモモコ)に乗り、来場者が気ままに楽しく記念撮影して帰ってくれれば作者は大満足の展覧会である。
講演会
- 日時2007年7月28日(土)
- 会場キヤノン S タワー 3階 キヤノンホール S
プロフィール
古川 タク(ふるかわ たく)
略歴
- 1941年
- 三重県伊賀上野に生まれる
- 1963年
- 大阪外国語大学イスパニア語学科卒業後、久里洋二実験漫画工房入社
- 1964年
- 初個展「マンガコンサート・バッハからビートルズまで」(そごうデパート・アートステップ)
- 1966年
- 久里洋二実験漫画工房退社
- 1975年
- 個展「驚き展」(白樺画廊)、「驚き盤」アヌシー国際アニメーション映画祭審査員特別賞
- 1976年
- 「アニメトイ」(青画廊)
- 1979年
- 画集『ザ・タクンユーモア』第25回文藝春秋漫画賞
- 1981年
- 「スピード」毎日映画コンクール大藤信郎賞
- 1984年
- 「アニメーション屏風・風神雷神」「ポートレート」(エスパスOHARA)
- 1985年
- 「鳥」「大驚き盤」(NEWZ)、「雨」第2回アジア美術展(福岡市美術館)
- 1991年
- 個展「ARTOON平面・立体・映像」(エスパスOHARA)
- 1994年
- 「FOUR FROGS」(東京デザイナーズスペース)
- 1999年
- 「上京物語」第3回文化庁メディア芸術祭優秀賞
- 2002年
- 「CAFE BAR」「アニメーション屏風・風神雷神'03」(キヤノンデジタルアートギャラリー)
- 2004年
- 紫綬褒章受章
- 2005年
- 「paper films」(art space kimura ASK?)
所属
日本アニメーション協会理事、東京イラストレーターズ・ソサエティ会員、漫画集団会員、東京工芸大学教授
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