イベントInter BEE 2018 キヤノンブース レポート

2018年国際放送機器展 Inter BEE 2018 キヤノンブースメッセージ:「映像表現に拡がりを、創り手にチカラを。」 キヤノン/キヤノンマーケティングジャパン 出展報告 2018年11月14日(水)~11月16日(金) 幕張メッセ

キヤノングループは、11月14日(水)から16日(金)まで、千葉市の幕張メッセで開催された「Inter BEE 2018(2018年国際放送機器展)」に出展しました。「日本随一の音と映像と通信のプロフェッショナル展」である本展示会は今年で54回目となり、出展者数は1,152社・団体、来場者数は40,839名と、どちらも過去最多を記録しました。

キヤノンブースが掲げるメインテーマは「映像表現に拡がりを、創り手にチカラを。」。4K放送の開始、2019年、2020年と国内で大きなイベントの開催が控えている中、キヤノンが果たすべき役割と責任、そして新しい映像表現の可能性を感じていただける、各種商品および映像ソリューションを紹介しました。

最新の「XF705」を国内初お披露目「業務用デジタルビデオカメラ」

業務用デジタルビデオカメラのブースでは、「XF-705」と「XF-405」を展示しました。特に注目を集めたのは、業務用デジタルビデオカメラのフラッグシップモデル「XF-705」でした。新ビデオフォーマットのXF-HEVC(H.265)に対応し、4K 59.94P、4:2:2 10bit / HDRの映像を汎用性の高いSDカードへの収録が可能になりました。
2018年9月に発表され本展示会が国内初お披露目となったことから、多くのお客さまが、実際に手に取って使い勝手を確かめたり、スタッフに質問したりする姿が印象的でした。本商品は11月29日に発売を開始しました。

フルサイズCMOSセンサーの映像を実感「CINEMA EOS SYSTEM」

ブース中央に設けられたコーナーでは、「CINEMA EOS SYSTEM」のラインアップを展示し、被写体を撮影していただける環境を用意しました。特にお客さまの注目を集めたのは、2018年7月に発売された、新開発のフルサイズCMOSセンサーを搭載したデジタルシネマカメラ「EOS C700 FF」。点光源を題材にした被写体にはスーパー35mmサイズCMOSセンサーを搭載した「EOS C700」と業務用4Kディスプレイの「DP-V1711」も用意し、異なるCMOSセンサーのサイズによる「ボケ感」の違いなど、それぞれの機種の特長を実際に確認いただけるように展示したことで、多くのお客さまが立ち止まって映像の違いに見入っていました。
また、「EOS C300 MarkII」はProres RAWに対応しATOMOS社のSHOGUN INFERNOと展示し、「EOS C200B」は狭小撮影や最小機材で多様な撮影シーンに対応できるDJI社のジンバル「Ronin-S」にセットした状態で展示。発売されたばかりのフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ「EOS Rシステム」も展示し、注目を集めました。

豊富なラインアップを一堂に展示「4K放送用ズームレンズ」「EFシネマレンズ」

業務用レンズの展示コーナーでは、「4K放送用ズームレンズ」および「EFシネマレンズ」を紹介。4K放送用ズームレンズの「UHD-DIGISUPER 122」、4K放送用ポータブルズームレンズの「CJ24e×7.5B」「CJ18e×7.6B」「CJ14e×4.3B」、EFシネマレンズの「CN-E 20mm 1.5 L F」といった新商品を含む、多彩なラインアップを一同に展示しました。2018年9月に発表された「UHD-DIGISUPER 122」は、広角から望遠までカバーする高いズーム倍率を実現した放送用フィールドズームレンズで、スポーツイベント中継などの4K放送に適した商品として、多くの映像のプロから注目を集めました。
また、キヤノンのブースがある幕張メッセの第4ホール入口には、4K放送用レンズの特設ラウンジを設けました。ラウンジ内に「UHD-DIGISUPER 122」「UHD-DIGISUPER 111」をはじめとする4K対応の放送用レンズをセットしたカメラと、TV局の副調整室をイメージした業務用4Kディスプレイを設置し、商品導入を検討するお客さまに、実際に展示場内を撮影しながら商品の性能、使い勝手を確認していただきました。

4K HDR映像の制作現場を支える「業務用4Kディスプレイ」

4K対応のカメラやレンズのラインアップだけでなく、撮影された映像を編集・加工するために欠かせない「業務用4Kディスプレイ」コーナーも設けました。新たにラインアップに加わった17型の「DP-V1711」に加え、24型の「DP-V2421」も展示しました。いずれもHDR機能に対応し、注目が集まる4K HDR映像制作の現場を支えます。

オーロラなど「夜の絶景」を空撮「超高感度カメラ搭載ドローン」

このところ目にする機会が多い「ドローン」を使った空撮向けのソリューションも紹介しました。「超高感度カメラ搭載ドローン」のコーナーでは、キヤノン超高感度多目的カメラ「ME20F-SH」をDJI社のドローン「MATRICE 600PRO」に搭載し、星空やオーロラといった「夜の絶景」を撮影した映像を紹介しました。0.0005ルクスという星明かり程度の環境でも高画質撮影が可能な「ME20F-SH」は主に監視カメラ用途で導入されていますが、その特性を夜間空撮に活用することで、これまで実現不可能だった映像制作現場のニーズにも対応し、新しい映像を実現するポテンシャルを持つことをアピールしました。

新しい映像の世界を広げる「モバイルライブ中継ソリューション」

映像デバイスの小型化とさまざまな映像配信サービスの登場によって、映像中継の世界も拡がっています。「モバイルライブ中継ソリューション」コーナーでは、キヤノンが開発中の小型多目的モジュールカメラ「MM100-WS」を使ったソリューションを参考出展しました。高さ・幅40mm、奥行き21.6mm、本体重さ48gという小型ボディーの本商品は、防塵・防滴構造と耐ショック性能により設置場所を選ばない柔軟な使い方が可能です。ラグビーやサッカーの審判の胸元からの臨場感あふれる映像の配信など、さまざまな用途が想定され、本コーナーでは説明するスタッフの胸元にカメラを装着し、撮影した会場内の映像をWi-FiとBluetoothを利用して無線でモニターに転送するデモンストレーションを行いました。

より美しく、鮮やかな色彩表現を可能にする「HDRワークフロー」を解説

「見たままの明るさ」「見たままの色」を表現するHDR(ハイダイナミックレンジ)を活用した映像制作工程の展示コーナーも設けました。実際のワークフローに沿って、デジタルシネマカメラの「EOS C200」で撮影した映像を輝度やコントラストなどを調整した後、業務用4Kディスプレイ「DPV-2420」で再生するまでの手順を解説しました。ブースには「EOS C200」の他、業務用デジタルビデオカメラ「XF-705」も設置され、HDRの撮影動画をカット・編集するだけで放映する、いわゆる「撮って出し」のワークフローも紹介しました。キヤノンブース内に設けられたセミナースペースでは、「映像制作者のためのHDR基礎講座」と題した講演も開催され、多くのお客さまが、登壇者による実践に基づいた撮影や制作のノウハウや、撮影時のエピソードについて耳を傾けられていました。

高画質・大画面のニーズに応える「4Kプロジェクター」

キヤノンブースに来場されたお客さまの注目を集めていたのは、ブース入口横に設置された250インチ大型スクリーンに映し出されたラグビーの試合シーンでした。これは、2018年8月に発売された高輝度4Kプロジェクター「LX-4K3500Z」による映像で、40000ルーメンの超高輝度と、デジタルシネマを配給する際の世界統一規格「DCI-P3」に対応する広色域を両立しています。スポーツイベントやコンサートでのパブリックビューイングなど、大画面へのニーズは今後一層高まることが想定されます。
また、ブースの一角には「4K HDRシアター」が設けられ、ネイティブ4Kプロジェクターでは世界最小・最軽量となる新商品「LX-4K6020Z」による4K映像が公開されました。120インチの大型スクリーンに映し出されるコンテンツはデジタルシネマカメラの「EOS C700」で撮影されたもので、4K、HDRの高画質と優れた表現力を実感できる映像に、多くのお客さまが見入られていました。

おなじみのお天気カメラも4K対応の時代「お天気カメラ 情報カメラ」

空模様や街の風景撮影でなじみ深い「お天気カメラ」などの分野でも、キヤノンは豊富な導入、運用実績を持っています。「お天気カメラ 情報カメラ」のコーナーでは、そうした用途で利用されるロボットカメラシステムを展示しました。小型・軽量のカメラ一体型リモート雲台の「BU-42H」「BU-47H」、オペレーションユニットの「OP-450」、回線切換システムの「LCS-4000J」を組み合せ、放送局内で複数のカメラを集中管理するトータルシステムを紹介しました。また、4K時代の到来に合わせ、4K対応のレンズとカメラの搭載に対応した雲台「4Kカメラ搭載U4」も参考出展しました。

画面合成をより手軽に実現可能にする「クロマキーソリューション」

被写体の背景に別の映像を合成する「クロマキー」は、放送や映像制作の分野で広く使われている技術です。本展示会では、このクロマキーに関連する2つのソリューションを参考出展しました。
1つ目は、多目的カメラの「ME200S-SH」とReflecmedia社の商品を組み合せたソリューション。「ME200S-SH」に取り付けたLEDライトを専用スクリーンに照射して、簡単にクロマキーを制作する仕組みです。LEDライトの色を切り替えることで専用スクリーンをブルースクリーン、グリーンスクリーンに簡単に切替ができ、屋外撮影時や、クロマキー用のスタジオを確保できない場合にも活用が期待できます。
2つ目は、セットを一切使わずにクロマキー合成を実現するソリューションの「RayBrid KeyMaker」を紹介しました。これは、カメラに取り付けた深度センサーによって、指定した距離にある被写体をリアルタイムに抽出し、背景と切り分けてクロマキー合成するという、エム・ソフト社の技術を利用したもの。クロマキー用のセットが不要で既存のカメラと組み合せて利用できるため、撮影場所を問わずに簡易合成を実現できます。

さらなる進化への挑戦「8K映像ソリューション」

キヤノンでは、4Kをさらに上回る8K(スーパーハイビジョン)の研究も進めているため、8K対応のカメラ、レンズ、ディスプレイを使って、お客さまに8Kの高画質を実感していただく「8K映像ソリューション」コーナーを設けました。今回初公開となった55型のディスプレイはHDRに対応し、豊かな色彩表現が可能です。また、業界に先駆けて8Kの標準フォーマットである2SI(2サンプルインターリーブ)にも対応するなど、技術的な先進性をアピールしました。8Kで撮影された歌舞伎の舞台中継映像は色彩の鮮やかさが際立ち、思わず足を止めるお客さまも多くいらっしゃいました。

映像の世界を拡げる多彩なゲストによる「オープンセミナー」

ブース内に設けられたセミナーステージでは、映像制作に携わる各界の多彩なゲストを招いたオープンセミナーを開催しました。登壇者の一人である写真家の公文健太郎さんは、自身の作品(写真)を撮影する傍ら、デジタルシネマカメラの「EOS C200」を使った動画撮影にも取り組み、写真が持つ「空気感」を動画でも表現することをめざしています。セミナーでは実際に撮影した写真と映像を見ながら、制作を進める上での両者の違いや、抱えている課題などが紹介されました。冒頭、「動画では『自分がやりたいことができない』と思っていた」と語る公文さんでしたが、フィルムに近い特性を持つフォーマット「CANON LOG」をはじめ、動画ならではの表現方法を研究し、撮影現場には必ずカメラとともに「EOS C200」を持参しているとのこと。「私にとって動画は貴重な財産」という発言もあり、セミナー参加者は熱心に耳を傾けられていました。

ご来場ありがとうございました。

キヤノングループは映像技術のさらなる発展に貢献するため、これからもお客さまの課題解決をサポートするための取り組みを進めてまいります。

このページのトップへ