経営戦略
私たちの企業活動の根幹にあるもの
企業理念である「共生」を実現することは、サステナビリティ経営である
キヤノングループの企業理念は「共生」です。
この企業理念「共生」は、1988年に全人類の幸福と繁栄を目標とする新しい企業風土を形成するため、世界人類の共存と発展、すなわち共生を新たに掲げたものです。
企業理念「共生」は、人・社会・自然が調和して人類すべてが豊かに暮らしていける社会の実現を目指すもので、SDGsが求めている社会像に相通じるものです。「共生」の実現は、現在の経営の言葉でいうサステナビリティ経営そのものであると考えています。私たちは、サステナビリティ経営の推進に向け、キヤノン製品事業とITソリューション事業を組み合わせることで解決できる領域を広げ、「事業を通じた社会課題解決」に取り組んでいきます。

事業活動を通じた社会課題の解決
社会課題解決に貢献できる領域を拡大する
サステナビリティ経営を実現するために、今までの法令順守やCSRという概念を超えて、事業活動そのものが社会課題の解決につながる、という考え方をより重視していきます。当社グループでは、キヤノン製品事業を中心に、環境配慮型製品の提供や、製品・カートリッジなどのリサイクル推進に取り組んできました。しかし、社会には解決すべき課題が多く存在します。これまでの取り組みに加えて、キヤノン製品事業とITソリューション事業を組み合わせることで、解決できる領域を広げ、安心安全な社会の実現、中小企業の生産性向上による地域活性化などの社会課題の解決に貢献していきます。

今後の成長に向けた事業展開
ITソリューション事業を成長の中核とすることに加え、キヤノン製品事業の付加価値を向上させる
社会全体のデジタル化・オンライン化の高まりや、労働力の変化、働き方改革の推進に伴い、お客さまのIT投資意欲が高まっています。私たちの強みである顧客基盤や幅広い事業、高い専門性を通じて、お客さまとの深い信頼関係を築き、お客さまと一緒になってソリューションを生み出す「共創」により、DX(デジタルトランスフォーメーション)ビジネスをはじめとした、お客さまの期待を超えるソリューションを作り上げていきます。社会課題の解決につながるITソリューション事業を成長の中核と位置付け、お客さまそれぞれに適したビジネスを展開することで、お客さまとともに成長していきたいと考えています。また、キヤノン製品事業については、ITソリューション事業と連動する戦略を強化し、効率化を図ることで、収益力を高めていきます。
2021-2025 長期経営構想および2022-2025 中期経営計画
2025年のビジョン
社会・お客さまの課題をICTと人の力で解決するプロフェッショナルな企業グループ
基本戦略
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事業を通じた社会課題解決による、持続的な企業価値の向上
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高収益企業グループの実現
- ITソリューション事業を成長の中核とした事業変革
- 顧客基盤を活かした顧客層別営業体制の強化
- キヤノン製品事業の付加価値向上と更なる高収益化
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経営資本強化による、好循環の創出
- 人材の高度化・エンゲージメント向上による事業成長の加速
- 戦略的事業投資による事業成長の加速
2025年の経営指標
- 営業利益
- 500億円
- 売上
- 6,500億円(内、ITソリューション売上 3,000億円)
- ROE
- 8.0%
ITソリューション事業の売上目標
2025年にITソリューション売上3,000億円を目指す
付加価値を訴求し、お客さまに継続してサービスを提供する、サービス型事業モデルの構築を推進しています。例えば、大手企業向けには、主に特定業界・業務向けの自社開発クラウドサービス、データセンター、BPO、ITOといったサービスを展開しています。中小企業向けには、お客さまのIT環境をトータルでサポートするサービスを提供しています。これらのサービス型事業モデルを拡充することにより、ITソリューション事業の中でも収益性の高い「保守・運用サービス/アウトソーシング」領域を強化し、高収益な事業を確立するとともに、2025年に3,000億円を目指します。

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2021年より、ネットワークカメラ事業をITソリューションに加算している影響により、2020年実績についても組換を行っております。
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2022年より、一部商品事業の組換を行っておりますが、2021年実績については2021年時点の数値を記載しております。
持続的な成長に向けた投資戦略
創出した利益を成長事業に再投資することで好循環を実現し、持続的な企業価値の向上につなげる
持続的な成長に向けた投資を積極的に行っていきます。具体的には、ITソリューション事業への投資やデータセンタービジネス拡大に向けた投資を計画しています。また新たな事業の創出に向けた投資も積極的に行います。
M&Aや出資などの戦略的な事業投資に加え、システム投資、人材投資を行うことで、2022年から2025年までの4年間で合計2,000億円の投資を想定しています。
資本効率と収益性を意識した事業投資を行い、そこから創出した利益を成長事業へ再投資することで事業をより強くします。この好循環を回し続けることにより、持続的な企業価値の向上に取り組んでいきます。
