従業員との関わり|安全衛生と健康支援

キヤノンは、安全衛生を企業経営の基盤と位置づけ、「安全なくして経営なし」を安全衛生活動の理念としています。
この理念のもと、キヤノンMJグループでは、安全で快適な職場環境を実現するため、安全衛生活動に取り組むとともに「キヤノン行動指針」に掲げている「健康第一主義」に基づき、従業員の健康支援ならびに健康経営の実現に向けた取り組みを推進しています。

安全衛生・健康支援の考え方

キヤノンMJグループは、従業員が快適に働ける職場環境の整備を行うために、「Human Security(人の安全)」、「健康で働けることは幸せ」をキーワードとし、「Broken Windows Theory(破れ窓理論)」に基づいた安全衛生活動に積極的に取り組んでいます。

  • Broken Windows Theory(破れ窓理論):アメリカで考案された環境犯罪学上の理論で、軽微な犯罪を徹底的に取り締まることで凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるという理論。「建物の窓が壊れているのを放置すれば他の窓もまもなくすべて壊されるだろう」との考え方からこの名がつきました。「割れ窓理論」「壊れ窓理論」ともいいます。

キヤノンMJグループ安全衛生活動方針

キヤノンMJグループ統一の安全衛生管理規程や各種安全衛生基準を定め、グループ全体で具体的な活動を展開していくために、年度ごとに安全衛生活動方針を労使で策定し、各社・各地域単位で積極的に安全衛生活動を展開しています。

  1. 労働災害の削減・安全衛生管理体制ならびに快適な職場環境づくりに向けた取組強化
    • 労働災害(業務・通勤)の未然防止
    • キヤノングループ労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)およびリスクアセスメントの運用推進
    • 啓発・教育の充実による安全意識の向上および有事への対応
    • 快適な職場環境づくり
  2. イキイキ健康な社員と会社を支える健康経営の実現
    • 自己健康管理力向上の推進強化と健康風土醸成
    • こころの健康づくり対策の強化
    • 安全配慮の徹底と重症化予防
    • 効果的ながん検診受診の習慣化とがん予防
    • 新型コロナ感染症対策の強化
  3. 交通安全活動の更なる進化とグループ連携の強化
    • グループ・地域・部門との連携強化と活動内容の標準化
    • 運転技術の向上と車両特性の理解
    • 「グループ運転基本」の周知徹底
  4. 各種災害リスクへのグループ対応力の向上
    • 災害発生時におけるグループ対応力の向上
    • 災害に対する意識の向上

安全衛生基準をグループ内で統一

キヤノンMJグループでは労災の発生を未然に防止するために、これまでに起きた労災や作業環境の実態に照らし合わせて関係部門と議論・検討し、グループ統一の安全衛生基準・ガイドラインを10種類以上(5S基準、重量物安全取扱基準、高所からの転落・落下防止ガイドラインなど)策定してきました。
引き続きグループ各社の安全衛生・健康支援への取り組みを強化し、グループ一体となった活動を推進していきます。

労災防止ポスター

グループ労災件数(2018~2020年)(単位:件)
  2018年 2019年 2020年
業務上災害(うち休業発生) 29(12) 25(6) 16(4)
通勤災害(うち休業発生) 30(13) 23(13) 18(6)
合計(うち休業発生) 59(25) 48(19) 34(10)

地域・職場単位での安全衛生活動

キヤノンMJグループでは、安全衛生の最上位機関として安全衛生担当役員(取締役)が委員長を務める「品川・京浜地区安全衛生委員会」を設けるとともに、「キヤノンMJグループ安全衛生活動方針」を作成し、グループ各社・各地区・各職場単位で組織的に展開しています。
各社・各地区において、労使で構成する安全衛生委員会を設置するだけでなく、その下部組織として日常の職場における活動を推進する職場安全衛生委員会を設け、従業員一人ひとりが積極的に安全衛生活動に取り組んでいます。

安全衛生委員会体制図

「5S」活動の取り組み

毎日が安心・安全・快適な職場環境で仕事ができることを目的として、安全衛生の基本である5S(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)活動にグループ全体で取り組んでいます。
良好な5S状態を維持するために課題箇所の迅速な改善活動を実施し、加えて4月・8月・12月の年3回をグループ統一の「5S強化月間」として定め、地域・職場ごとに課題と目標を掲げて取り組んでいます。

従業員の健康支援

健康経営の理念と方針

新たな感染症の出現、60歳以上の労働者の増加、生活習慣病やメンタルヘルス不調等によるアブセンティーズム、プレゼンティーズムなどの課題や働き方の変化に対応し、キヤノンMJグループの従業員の健康を確保しパフォーマンス向上、エンゲージメント向上など「人的資源の価値最大化」を実現することは「持続的な企業価値向上」実現のための重要な経営戦略であるととらえています。

キヤノンMJでは、行動指針に掲げた「健康第一主義」に基づき、中期計画である「健康管理3ヵ年計画」を策定するとともに、毎年作成する「キヤノンMJグループ安全衛生活動方針」に基づき、3大課題である「がん」「生活習慣病」「メンタルヘルス」に「感染症」を加え、健康経営に取り組んでいます。

■目的

従業員一人ひとりが健康で活き活きと働けるということは、従業員と家族の幸せはもとより、個々のパフォーマンスが最大限に発揮されることであり、それが企業の成長、持続性につながると考えています。

■体制

キヤノンMJはもとよりキヤノンMJグループの健康管理が高いレベルで標準化されるよう、2018年よりグループにおける健康支援政策、運用の統一化をしました。

健康支援室 全国9か所
保健師配置 従業員750名につき保健師1名

■重点課題

  • メンタルヘルス
  • 生活習慣病
  • がん
  • 感染症

■重点施策(2020年~2022年)

  1. 自己健康管理力向上の推進強化と健康風土醸成
  2. こころの健康づくり対策の強化
  3. 安全配慮の徹底と重症化予防
  4. 効果的ながん検診受診の習慣化とがん予防
  5. 感染症予防対策の強化
  6. グループ健康管理体制の強化

■健康経営の指標(2020年~2022年)

  • 休業率・休職日数の減少
  • 高血圧(Ⅱ度・Ⅲ度)の社員の減少 3%以下
  • 生活改善意識行動段階「実行段階」の社員の増加 40%以上
  • 睡眠で休養が取れていない社員の減少 30%以下
  • アブセンティーイズム指標の改善
  • プレゼンティーイズム指標の改善
  • ワークエンゲイジメント指標の改善
  • 設定の背景
    経営課題の「人的資源の価値最大化」を実現する「アブセンティーイズム・プレゼンティーイズム対策」「自己健康管理力の向上」を端的に示す目標を設定しました。

健康経営の指標
  2019年 2020年 比較指標
高血圧(Ⅱ度・Ⅲ度)者の割合 3.4% 3.5%  
生活習慣改善意識行動「実行段階」者の割合 36.8% 40.8%  
睡眠で休養が取れていない者の割合 30.3% 28.1%  
アブセンティーイズム指標 ※1   2.4日 2.6日
プレゼンティーイズム指標※2   90.9% 84.9%
ワークエンゲイジメント指標※3   2.64点 2.52点
  • ※1
    年間の病気での休業日数(アンケート)東大ワーキンググループ結果と比較
  • ※2
    SPQ東大1項目版(アンケート)東大ワーキンググループ結果と比較
  • ※3
    新職業性ストレス簡易調査票(アンケート)全国標準値と比較

■2021年認定状況

健康経営優良法人2021
大規模法人部門(ホワイト500)
キヤノンMJ≪5年連続≫
キヤノンITソリューションズ≪4年連続≫
健康経営優良法人2021
大規模法人部門
クオリサイトテクノロジーズ
キヤノンシステムアンドサポート
キヤノンITSメディカル
キヤノンビズアテンダ
中小規模法人部門 スーパーストリーム

重点施策の取り組み状況と評価

1.自己健康管理力向上の推進強化と健康風土醸成

キヤノンMJグループでは、「健康管理3ヵ年計画」に基づき、全従業員一人ひとりが自分の健康に目を向け行動を起こしていくよう、個別および集団アプローチによる生活習慣改善の啓発活動を行っています。
2014年より、健診前に個人および職場ごとにテーマを決めて取り組む「ヘルシーアクション」を展開してきました。2020年は健保組合、労働組合との合同企画とし、また内閣府が主催するbeyond2020マイベストプログラムの認証事業として取り組み職場全体で生活習慣改善に取り組む雰囲気が定着してきています。
2016年からは、健康保険組合と協同で健康増進をサポートするウェブ情報配信ツールを導入し、さまざまなインセンティブのあるイベントを開催、ヘルスリテラシー向上と生活習慣改善・継続を図っています。ウェブ情報配信ツール登録率は目標の80%を超え84.1%まで上昇、年に2回実施しているウォーキングイベントの参加率も回を追うごとに上昇するなど、自己健康管理力向上と健康風土の醸成が着実に進んでいます。その結果、生活習慣改善に取り組む従業員の割合は9年前と比較し2倍以上に増加するなど、着実に成果を上げてきています。

ウォーキングイベント参加率およびウェブ情報配信ツール登録率(2017~2020年) 
生活習慣改善意思調査(2010~2020年)

■年齢別の自己健康管理の啓発(単位:%)

健康について考える機会と、各年齢に見合った情報提供により、生活習慣を改善・定着させることを目的として、セミナーやe-learningを実施しています。

対象 内容 2020年受講率
新入社員 新入社員研修 100.0
新入社員メンタルヘルス研修
2年目 2年次研修 -
ポイント年齢
(30・40・50歳・60歳)
年齢別e-learning 89.6
50代 クリエイティブライフセミナー 90.0

■女性のセルフケア推進の取り組み

働く女性に関するヘルスリテラシーを上げ、女性の活躍を後押しすることを目的として、管理職を含む女性従業員に対してリテラシー向上のセミナーを実施しています。

女性セルフケアセミナー(2020年)(単位:%)
対象 2020年受講率
女性社員 47.9

■禁煙の取り組み

従業員の受動喫煙防止のため、事業所内禁煙、就業時間内の全面禁煙を実施しています。また2019年よりスマホを活用したオンライン診療による禁煙プログラムを実施し、禁煙を促進しています。

喫煙率(男女別 %)
  2019年 2020年
男性 27.2 25.1
女性 4.8 4.1

  2019年 2020年
禁煙プログラム参加者数(人) 18 50(申込数)

■睡眠の取り組み

ストレスチェックの結果、高ストレス群はそうでない群と比べ、よく眠れていない方が4倍と関連が大きいことから、不眠の原因別に良眠のための啓発を展開しています。

2.こころの健康づくり対策の強化

キヤノンMJグループでは、4つのケアと3つの予防策を軸にさまざまな教育、相談などのプログラムを行っています。例えば、新入社員向けのセルフケア研修、各年代別・階層別のe-learning、階層別研修、キヤノン健保によるEAP(従業員支援プログラム)導入などに継続的に取り組んでいます。

教育・相談プログラム

ストレスチェックについては、受けやすい環境づくりのため2017年にe-learningを導入しました。実際のストレスチェックの受検率についても高い割合を維持しています。

ストレスチェック周知のためのe-learning受講率(2017年)(単位:%)
  管理職向け 全従業員向け
ストレスチェック周知のための
e-learning受講率
97.0 81.9

ストレスチェック受検率と高ストレス者率(2018~2020年)(単位:%)
  2018年 2019年 2020年
ストレスチェック受検率 91.8 90.7 89.1
高ストレス者率 10.3 9.6 8.5

3.安全配慮の徹底と重症化予防

キヤノンMJでは、怪我や病気があっても安心して仕事を継続できるよう、必要とする従業員への就業上の配慮と個別のサポートを徹底して行っています。

■健診結果に基づく安全配慮と重症化予防の強化

精密検査や受診が必要な従業員には、保健師によるフォローや産業医面談などのサポートを行い、2014年以降、精密検査対象者の受診報告率100%の目標を達成し続けています。
定期健康診断結果などを元にグループ基準に基づいて、生活習慣病の重症化予防および脳・心臓疾患の未然防止のために必要な配慮を徹底しています。

定期健康診断受診率と精密検査対象者受診報告率(2018~2020年)(単位:%)
  2018年 2019年 2020年
定期健康診断受診率 100.0 100.0 100.0
精密検査対象者受診報告率 100.0 100.0 81.5

■健康起因の事故を防ぐ取り組み

業務で自動車の運転や高所作業を行う従業員の安全確保のため、健康診断結果などにより危険性を判断し、必要な配慮を徹底しています。

■傷病休職者および不安定就業者へのサポート

人事、職場管理者、健康支援室の役割を整備し、対応マニュアルを標準化していくとともに、人事担当者や産業保健スタッフの教育、管理職への教育を継続的に行っています。

従業員別研修内容と受講人数(2020年)(単位:人)
  内容 2020年受講人数(のべ)
人事担当者 キヤノン(株)メンタルヘルス担当者研修 23
管理職 新任管理職研修(課長代理、課長、部長) 対象者全員
産業保健スタッフ 特定保健指導実践者育成研修、メンタルヘルス担当者研修、プレゼンテーション講座、など各種研修・セミナー 97
日本産業衛生学会など各種学会 12

■労働時間適正化および過重労働対策への取り組み

キヤノンMJでは、従業員の健康保持・推進を目的として、労働時間適正化に向けた働き方改革の取り組みを、2017年4月より本格的に実施しています。
毎週水曜日の全社一斉による「ノー残業デー」では、18時以降の品川本社を巡視し、時間外労働の削減に向けた取り組みを実施しています。
また過重労働対策として、各人事部門と健康支援部門が連携してグループ内基準に該当する対象者全員に医師による面接指導を実施し未然防止・早期対応に努めています。

所定外労働時間と総実労働時間の平均(組合員実績/2018~2020年)
  2018年 2019年 2020年
平均月間所定外労働時間
(組合員)
10.7時間/月 10.7時間/月 9.8時間/月
平均総実労働時間 1,751時間 1,741時間 1,697時間

<参考> 一般労働者平均所定外労働時間13.1時間/月、一般労働者平均総実労働時間1,977時間(厚生労働省「毎月勤労統計調査」より、パートタイムを除く労働者の平均)

4.効果的ながん検診受診の習慣化とがん予防

キヤノンMJグループではがんの早期発見のために、キヤノン健保による年代ごとのがん検診補助制度を設けるとともに、受診の習慣化に向けて全社的に啓発活動を展開しています。特にがんの罹患率が高くなる40歳以上の従業員に対して注力しており、がん検診受診率は年々増加しています。

がん検診受診率(2017~2019年)(単位:%)
  2017年 2018年 2019年
がん検診受診率(40歳以上) 72.2 77.2 74.4

5.感染症対策

■感染症対策

従来より、海外渡航者、出張者への予防接種の実施や予防啓発の実施、定期健康診断時の風疹抗体検査同時実施、様々な感染症についての情報提供などの対策を実施してきました。

■新型コロナ感染症対策

新型コロナ感染症に対しては「社員・お客様・お取引先等の健康と安全を最優先に考慮し、これまで以上に危機意識をもち、新型コロナウイルス感染予防対策並びに感染拡大防止対策に取り組む。」という基本方針のもと全社をあげて取り組んでいますが、健康支援においても以下のような取り組みを通して感染予防・社内感染防止に取り組んでいます。

  • 公私含めた一人ひとりの感染予防対策の情報提供
  • 発熱や風邪症状など体調不良者への対応サポート
  • 居室の換気、三密回避、環境消毒の徹底への取り組み
  • 基礎疾患を持つ等ハイリスク者への就業上の配慮
  • ICT利用による産業医面談、健康セミナーの開催
  • 特集HP「コロナに負けない健康情報」にて運動、栄養、ストレス対策など情報提供
  • 感染防止に十分配慮した健康診断
  • インフルエンザ予防接種の社内実施

  2020年
インフルエンザ予防接種人数 1,710人

救命救急体制の推進と災害対策の実効性向上

キヤノンMJでは、緊急時において救命対応ができる従業員の育成を目的として、AEDを使用した「救命講習会」を定期的に開催しており、2019年の受講率は57%になっています。「救命講習会」を全国各拠点で開催するとともに、ひと目でAEDの設置場所がわかるような取り組みを行っています。

また災害対策として、実践的な防災訓練の実施や防災救護備蓄品の整備にも取り組んでいます。

キヤノン S タワー(品川)で行われた救命講習会

救命講習受講率(キヤノンMJ全社/2018~2020年)(単位:%)
  2018年 2019年 2020年
救命講習受講率 53 57 54

救命救急体制の整備

  • 全国各拠点での救命講習会開催と受講の促進
  • AEDの設置および管理
AEDどこにある? ポスター