page2020 キヤノンブース レポート


多彩な対応力と自動化ソリューションで
印刷ビジネスの未来を切り拓く
キヤノングループは、東京・サンシャインシティコンベンションセンターで2月5日(水)から2月7日(金)まで開催された「page2020」に出展しました。日本印刷技術協会が主催する本展示会は年々規模を拡大し、「デジタル×紙×マーケティング for Business」をテーマに166社が出展。前年を超える67,210名が来場しました。
今回キヤノンブースが掲げたコンセプトは「デジタルが切り拓く印刷の未来」です。テクノロジーの進化が加速する中、「自動化」×「見える化」をキーワードにした最新ソリューションを紹介するとともに、新商材開発のヒントとなる多様な成果物サンプルなどを7つのコーナーで展示しました。
多様なメディアの印刷サンプルを展示
ブース入口には「新商材発見!imagePRESS印刷サンプルコーナー」として、オンデマンドプリンター「imagePRESS C910シリーズ」で印刷した名刺やクリアファイル、チケットなどのサンプルを展示しました。各サンプルにはジャパンラグビートップリーグに加盟するラグビーチーム「キヤノンイーグルス」にちなんだデザインが施され、赤・黒を基調とした鮮やかな色彩でお客さまにアピールしました。
本コーナーでは、紙以外の素材を使ったサンプルも多数展示しました。中でも木や水を使わない環境に配慮したLIMEXや、筆圧で発色する「ノーカーボン紙」などへの印刷は、ビジネス拡大につながる商材として業界の注目を集めています。ブースではその他、クリアファイルや不織布バッグといった特殊メディアを使用した成果物とともに、これらの素材に印刷するためのノウハウを紹介しました。
また、受付近くにはキヤノン製品を導入されたお客さまである、東電タウンプランニング様/大同工芸様の電柱看板広告、東伸企画様による業界新聞、キヤノンメディカルシステムズ様による医療機器製品マニュアルなどのサンプル展示も行いました。

インクジェット連帳機の可能性を訴求
キヤノンは2019年、オフセット印刷機に迫る高品質をめざしたインクジェット連帳機「ProStream 1000」と「MJP20AXS」を発売しました。本コーナーでは2機種で印刷した書籍・コミック、教材、カタログなどを展示し、その仕上がりをご確認いただく場を設けました。ブースにはオフセット、トナーカット紙プリンターで印刷したサンプルも展示。実際に手に取って品質を体感いただき、帳票から商業印刷まで、幅広い業種の出力物に対応するポテンシャルを訴求しました。

UV硬化型大判プリンターの新機種「Colorado 1650」を初出展
さまざまなメディアへの高品質印刷が可能なUVプリンターは、ポスターや乗り物へのラッピングといった領域で存在感を高めています。キヤノンは2020年1月、既存インク技術の持つ長所を兼ね備えながら、高画質、高生産性を実現した新開発「UVgel」テクノロジーを採用した64インチ対応UV硬化型大判プリンターの新製品「Cololado 1650」を発表。page2020で初の実機展示を行いました。
本機はプリントヘッドと硬化ユニットを独立させることで、圧倒的な印刷スピードの高速化を実現しています。また、インクやプリントヘッドを交換せずにマット調とグロス調の出力が可能で、一般的なコート紙へのプリントでコストダウンが図れるといった特長を持っています。ブースでは色鮮やかなポスターの高速印刷デモが行われ、来場したお客さまの注目を集めていました。

インバウンド需要に対応した多言語対応ポスター制作
大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF PROシリーズ」の展示では、キヤノンが提供する各種ユーティリティの組み合わせによる多彩な表現をご提案しました。異なる機種で印刷する際に必要な「色合わせ」では、業務用フォトプリンター「DreamLabo 5000」をターゲットに「imagePROGRAF PRO-4000」でカラーマッチングを実施。フォトブック制作時における表紙と本文の写真の色合わせが簡単におこなえることを訴求しました。「Free Layout Plus」を使ったポスター出力では、データを加工せず制作した「キヤノンイーグルス」の大型ポスターや、キヤノン純正の耐水メディアにプリントした屋外用ポスターが展示されました。
また、ポスター作成ツールの「PosterArtist」の紹介では、多言語テンプレートと翻訳文言集を使ったデモンストレーションを実施しました。大きなスポーツイベントが開催される今年は、インバウンド需要への期待が高まっています。そんな中、最新版の「PosterArtist」は13の言語に対応。小売店や飲食店、交通機関などさまざまなシーンに合わせたポスターのテンプレートだけでなく各言語の例文が搭載され、手軽に「見栄えの良い」多言語ポスターが作成できることから、お客さまの関心を集めました。

ハイクオリティフォトプリントに欠かせない「DreamLabo 5000」
ハイクオリティフォトのコーナーでは、業務用フォトプリンター「DreamLabo 5000」の特徴である、高画質と安定した色再現を両立するキヤノンのインクジェット技術を紹介しました。安定した色再現技術については、印刷の日付や時間が変わっても「変わらない画質」を実際に確認していただくため、実際に印刷間隔を空けて印刷した複数のサンプルを展示。色の差がほとんど発生せず、大量プリントや追加オーダーにも確実に対応できます。また、「DreamLabo 5000」の自動画像補正機能を使用することで、逆光などで顔が暗く撮影された写真を自動判別し適正露出へ補正したり、撮影シーンを自動解析して、より記憶色に近いデータに補正することも可能です。
写真の色調整スキルの人員確保が難しい制作現場でも、簡単に高画質商材を生産可能なことをアピールしました。

封筒印刷の業務を効率化する専用フィーダー連携
用紙の補給は印刷業務に欠かせないものですが、頻繁に発生するようでは業務の効率化を妨げる大きな要因になります。本コーナーでは大量給紙がむずかしい封筒印刷を例に、専用フィーダーを活用して効率化を図るソリューションを紹介しました。
封筒の給紙を行う光文堂製フィーダー「UF-02」は、大小さまざまなサイズの封筒を一度に300枚給紙することができ、用紙が減ってきた際の印刷中の追い積みも可能です。ブースでは本機と「imagePRESS C660CA」を組み合わせ、封筒に印刷する一連の流れを紹介しました。短納期が求められる封筒印刷のシーンで一度に多くの封筒をセットできることは、大きな業務効率化につながります。センサーが用紙の高さを検出してスピーディーに補給する様子に、多くのお客さまが関心を示していました。

人とロボットが共存した製本ラインを提案
今回の展示で大きな注目を集めたのが、人とロボットが共存して製本作業を行う「ロボットシステム連動無線綴じ製本ライン」です。ブースには出力機としてオンデマンドプリンターの「imagePRESS C10000VP」に加え、ホリゾン・インターナショナル協力のもと、ユニバーサルロボット製の協働ロボットアーム、ホリゾン製の給紙装置「HOF-400」、自動無線綴製本機「BQ-270V」、三方断裁機「HT-300」で構成される印刷から製本までの自動生産ラインを再現しました。
本の生産は、印刷された用紙を人が製本機に投入するのが一般的ですが、本ブースではその役目を協働ロボットアームが担います。人手に頼っていた作業をロボットが代行することで省力化と品質のばらつきの軽減が期待できます。そして、印刷から加工までを統合的に管理するのがキヤノンの「Production Print Flow Manager(PPFM)」です。両毛システムズの印刷業総合管理システム「PrinTact」と連携し、受注処理から生産指示を自動化。さらに印刷と加工の設定を「PPFM」が自動化することでロボットと加工機がスムーズに連動。コンパクトなロボットアームが淡々と仕事をこなす姿は、新時代の印刷・製本シーンを印象付ける展示となりました。

この他、展示会場に設置されている各オンデマンドプリンターの稼働状況を見える化する「PRISMAlytics」や、静電気を除去して後加工時の紙の重送を防ぐ春日電機製「イオナイザ」を「imagePRESS C10000VP」のスタッカー部に取り付ける展示も行い、生産ラインを効率化するための多彩なアプローチも紹介しました。

ご来場ありがとうございました。
キヤノングループは今後もお客さまのビジネス拡大、そして業務効率化に役立つソリューションのご提案を進めてまいります。商品やサービス、システム導入などのご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合せください。