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施設全体の光熱費削減のみならず自立支援・重度化防止の意識向上の一助にハーモニー松葉



業種:福祉・介護 | 従業員規模:1~49名 | 成果:コスト削減、環境

「楽しめる・安心できる・元気になる」を理念に居心地の良い空間を提供するハーモニー松葉

地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法の改正など、高齢者が住み慣れた地域で安心して、日常生活を送るための整備が進められる一方、厳しい経営状況にある軽費老人ホーム・ケアハウスは少なくありません。
そんな大転換期にあって、「楽しめる・安心できる・元気になる」をコンセプトにおもてなしの心で、居心地の良い空間を提供しているのが、ハーモニー松葉です。
同施設では、施設の経費削減の手立てとして電気代削減のお手伝いをする節電コンシェルジュを導入。運用開始から2年以上経過した今も、導入前と比較して10%近いコストダウンを維持しています。
施設長を務める山田氏に、このサービスを導入することになった背景や選定理由、どのようにして、ここまでの効果を達成し続けているのかお話を伺うとともに、重要な役割を担った入居者の皆さんからも貴重なコメントをいただきました。

導入背景社会福祉法人という性質上、利益向上の手段として経費削減が課題だった

平成13年に開設、軽費老人ホームの中でも自立型のケアハウスとして、入居する方々の健康で安定した生活を支援しているハーモニー松葉。同施設では、ここ数年、経費の増加が深刻化していました。

経費の中でも比較的削減しやすいと考えたのが電気代

施設長を務める山田氏が語ります。
「東京都から補助金をいただいて運営しているため、収入は決まっています。従って、経費が増えれば、当然経営的には厳しい状況に陥ります。
でも、人件費を削減してスタッフに負担を掛ければ貴重な人材を失いかねませんし、サービスの低下をまねくような取り組みはもってのほかです。
そんな中、経費削減につなげられると考えたのが電気代。当施設では従来から入居者さまの節電意識が高かったこともあり、これなら比較的導入の障壁が少ないのではと考えたのです」。


選定理由大きな投資を行う必要もなく「運用改善で電気代削減」というコンセプトに共鳴

「今回導入した節電コンシェルジュというサービスに関しては、前施設長の時代から、何度かキヤノンさんにご提案いただいていました。
ただ、本当に効果が出るのかどうか、費用として回収できる見込みが計算できないということでなかなか導入に踏み切れずにいたんです。
しかし、かさむ経費をどうにかしないといけないという現状を前に理事長とも相談を重ねた上、思い切ってやってみようと。

日々の運用改善がコストダウンにつながる

大きな投資が必要ないのもよかったですし、コンシェルジュの助言を受けられたり、パソコンで月次レポートが出て、増減の要因が見える化できるのはすごく安心できるなと感じました。
そして何より、日々の運用を改善していくことがコストダウンにつながるというコンセプトに非常に共感した想いがありましたね」。

周囲の施設でも前例のなかった節電への取り組み

導入に際しては、交流のある他の施設にもいろいろと尋ねてみたという山田氏。でも、経費削減に関して何か大掛かりな取り組みを行っているところはなく、業界に先立ってチャレンジしてみようという想いも、導入のモチベーションにつながりました。

導入後の成果高い節電効果はもちろんのこと、入居者の責任感ややりがいを醸成するメリットも

導入から2年。節電コンシェルジュによって達成した約10%の節電効果を今なお維持し続ける同施設。
その大きな要因の一つが、入居者の皆さんの積極的な協力体制です。
では、導入当初からスムーズな運用ができていたのでしょうか。

うまくいく秘訣の一つは、節約できた経費の還元

「最初は職員や入居者さまにどう説明すればいいか悩みましたが、電気代が下がることでどういった影響が出るかを丁寧に説明するとともに、実際に節約できた費用は、風呂場の転倒防止用床材への張替え等の設備改修費やレクリエーション費、ひいては職員の賞与・給与へ反映しました。
これで少しづつ皆さんの理解を得ていったという感じです。また、実際の運用についても、当初は職員だけが運用していましたが、施設長の「入居者と一緒に経営(改善)に取り組みたい」という想いから食堂と廊下のエアコン管理に関しては省エネ係という役割で入居者の方々にも協力してもらうことにしました」。
当初は「勝手に消された」「暑い」「寒い」など一部入居者からの苦情も耳にしましたが、明確に担当を決め、一定のルール化で、皆さんの理解と協力を得られることができました。

入居者の自立にもつながる節電コンシェルジュ

さらに、それぞれが責任感や、やりがいを持って運営に携わってもらうことみんなで連帯感を持って一つの目標に向かうこと、うまくいった時に味わえる達成感が一人一人の自立につながっている側面もあると山田氏は語ってくれました。

日中の共有スペースは消灯が徹底されている

今後の展望今後は、節電だけにとどまらない効果を、周りの施設に紹介していくことも大きな使命に

実際に省エネ係として節電を牽引する入居者の方にもお話を伺ったところ、ただやみくもに節電を推し進めるのではなく、「冬の寒い時には皆さんが食堂に降りてくる前に温めておき、食事を終えて退室する際に消す」など、仲間の体調のことを思いやりながら、きめ細やかなコントロールを行っている様子が見て取れ、効果を生むにはやはり入居者の協力が欠かせないと痛感しました。「施設運営の健全化と入居者の自立支援を両立できるこの取り組みを今後も続けていきたい」と語る山田氏。

周りの施設にも取り組んでほしい節電

最後に、自らの成功事例を紹介し、より多くの同業施設に取り入れてもらうことも「これからの社会的使命の一つだと考えている」と締めてくれました。
他に先駆けて革新的な取り組みを行う同施設を引き続き見守っていきたいと思います。

押見 玉子さん(左)、木下 みち子さん(右)

ハーモニー松葉

事業内容:軽費老人ホームケアハウスの設置運営、老人デイサービスセンターの設置運営

所在地:東京都稲城市矢野口1806

※本記事は取材時(2018年5月)のものです



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