3.2.2 コマンドラインモード

コマンドラインモードでは、 BJフィルタの各種パラメータを、GUIを使わずにコマンドラインで指定します。設定の画面は表示されず、ターミナルソフトのコマンドラインから印刷を実行すると、すぐに印刷が行われます。

コマンドラインモードの書式は、次の2種類あります。

◆lprコマンド(CUPS)を使用

    lpr -P PIXUS990i [filename] {-o "option"}

filename は、印刷するファイル名を指定するパラメータです。PS、BMP、TIFF、JPEGなど、CUPSがサポートしているファイル形式を指定できます。
CUPSがサポートしているファイル形式の詳細は、Common UNIX Printing Systemのホームページ(http://www.cups.org/)を参照してください。

option では、BJフィルタの各種パラメータを指定できます。印刷オプションとそのパラメータは、lprコマンドの -o オプションに続けて " " で囲んだ中に指定してください。詳細は「3.3 スイッチ」で説明します。
option を省略した場合は、BJフィルタが内部で持っているデフォルト値が使われます。

option に指定できるパラメータは、プリンタのモデルによって異なります。また、組み合わせによっては無効なoption があります。


CUPSのWebインタフェースでプリンタの設定を変更した場合は、変更後の値がデフォルトになります。

【用紙サイズをA5、用紙タイプを普通紙に設定してsample.bmpを印刷する場合の書式例】

  [user@zzz /yyyy]$ lpr -P PIXUS990i sample.bmp -o "PageSize=a5" -o "MediaType=plain"

プリンタ名を省略すると、デフォルトのプリンタが使用されます。

【デフォルトのオプションでsample.bmpを印刷する場合の書式例】

  [user@zzz /yyyy]$ lpr -P PIXUS990i sample.bmp

【パラメータが存在しない印刷オプションで印刷する場合の書式例】

パラメータが存在しない印刷オプションについては、オプションのみ指定してください。

  [user@zzz /yyyy]$ lpr -P PIXUS990i sample.bmp -o "CNGrayscale"

  • 指定したオプションに誤りがある場合、オプションは無視され、デフォルトのオプション、およびパラメータで処理されます。詳細は「B.1 CUPS動作設定による使用制限」を参照してください。
  • サポートされる印刷オプション、およびパラメータの詳細は「3.3 スイッチ」を参照してください。

◆bjfilterコマンドを使用

rootでログインしている場合は、bjfilterコマンドを使用できます。

この印刷方法では、CUPS対応のステータスモニタにステータス情報が表示 されません。


  bjfilterpixus990i [filename] [switches] > /dev/usb/lp0

filename は、印刷するファイル名を指定するパラメータです。印刷できるファイルの形式は、TIFF、BMP、PPM、PNGに限られます。

以下にサポートしている画像フォーマットを示します。

  • TIFF:非圧縮モードのみ
  • BMP:各色8bitRGBのみ
  • PPM:各色8bitRGBのみ(バイナリ形式)
  • PNG:各色8bitRGB/8bitGray/Index/各色8bitRGBαRGB/8bitRGBαGray

印刷できないファイル形式が指定された場合、BJフィルタは、エラーメッセージを表示して処理を終了します。
filename を省略した場合、BJフィルタは、データがPPMの場合のみ標準入力から渡されるものとして処理をします。

switchesでは、BJフィルタの各種パラメータを指定できます。各スイッチの詳細は「3.3 スイッチ」で説明します。
switches を省略した場合、BJフィルタが内部で持っているデフォルト値が使われます。

各スイッチに指定できるパラメータは、プリンタのモデルによって異なります。また、組み合わせによっては無効なスイッチがあります。

【sample.bmpを印刷する場合の書式例】

  [root@zzz /yyyy]# bjfilterpixus990i --media plain --papersize a4 sample.bmp > /dev/usb/lp0