マネジメントシステム
環境経営システム
キヤノンは、「環境憲章」に掲げる「資源生産性の最大化」をめざして、「環境ビジョン」のもとに環境経営を推進しており、下図のような環境経営システムを構築し、環境保証活動全体の高度化・効率化を図っています。
この環境経営システムでは、各部門(各事業本部およびグループ会社の各事業拠点)の活動と連携した環境保証活動(DO)を推進するために、「環境目標」(PLAN)を策定し、事業活動にも反映させています。また、業績評価に環境側面を取り込んだ「環境業績評価」(CHECK)を実施し、環境保証活動の改善・強化(ACT)へつなげています。
また、各部門の環境保証活動においても、それぞれPDCAサイクルを回すことで、継続した改善を図っています。
こうした二重のPDCAのサイクルをもとに、グループ全体の環境保証活動を加速させています。

キヤノンの環境経営システム
ISO14001認証取得の統合
キヤノンは1995年から国内外の事業所で、環境マネジメントシステム(EMS)を構築しISO14001の認証を取得してきました。当初は、事業所単位で個別にEMSを構築、実施していましたが、各事業所から収集した環境情報をもとにグループ全体最適の視点で適切に意思決定していくために、2004年からISO14001統合認証の取得に着手。2007年に日本はもちろん、海外の生産・販売会社も含めた統合認証の取得を完了しました。
なお、2010年末時点で、キヤノン(株)および、世界39カ国・地域のグループ会社149社(合計150社)が統合認証の対象となっています。
今後も、外部監査および内部監査、トップマネジメントによりEMSの運用状況をチェックし、継続的にEMSを改善していきます。
グローバル環境推進体制
キヤノンは、世界各地のグループ会社が一丸となって環境経営を推進していくために「環境本部」を設置しています。同本部は、キヤノン製品および各事業拠点の環境保証活動を推進するための仕組みづくりを行い、それらをキヤノングループにおいて確実に運用するための環境統括部門です。
同本部のもとには、「環境企画センター」「環境推進センター」が設置され、互いに連携しながら確実性/効率性を向上させています。環境企画センターは、環境にかかわる法規制情報の収集や、グループ全体の方針設定および規程などの制定、さらには環境保証活動の評価方法の立案・管理を担当します。環境推進センターは、方針に沿った具体的な活動の企画・推進を担当します。
その一方で、「経営戦略委員会」のもとに置かれた「グローバル環境戦略専門委員会」では、グループを横断して検討すべき個別重要テーマについての戦略などを立案しています。
さらに、各事業本部・各事業所・主要関係会社には環境保証活動を推進する担当部門・担当者を置き、環境本部が策定した環境目標の達成状況や、環境保証規程の遵守状況を把握するなどして環境マネジメントを徹底しています。これら担当部門・担当者を通じて各組織の活動状況を環境本部が集約することで、適切かつ迅速に意思決定しています。

グローバル環境推進体制
環境業績評価制度
キヤノンでは、従来から各事業本部やグループ会社の経営状況を評価する「連結業績評価制度」を運用してきました。2001年からは、事業活動のなかで、一層、積極的・主体的に環境保証活動を展開していくよう、同制度に「環境業績評価」を組み入れ、各事業本部および生産会社、販売会社ごとに評価しています。
環境業績評価は、環境目標で定められた取り組みについて、環境本部が各事業本部、各社の達成度を評価、得点化するもので、連結業績評価の総得点中、約10%を占めます。キヤノンでは、この評価結果を半期ごとにグループ内で発表しています。
今後も、継続的に評価方法を見直しながら制度を改善し、環境経営のレベルアップに努めていきます。

環境業績評価の流れ
環境監査
キヤノンの環境監査は、環境関連法規制やキヤノングループ環境基準※に対する遵守状況や、環境マネジメントシステム、製品化学物質保証の実施について、グループ内の運用状況を評価し、継続的に改善していくことを目的としています。
その実施方法は、EMS統括責任者である環境本部長が示した「キヤノングループ監査方針」にもとづき、環境本部が各事業拠点に対する「本社環境監査」を、各事業拠点/事業本部の監査部門が拠点内の各部門に対する「事業拠点環境監査」「製品環境監査」を実施する、というものです。
それぞれの監査結果は、環境本部内のグループ監査統括部門がグループ全体の監査結果をまとめ、マネジメントレビューの情報としてEMS統括責任者に報告しています。
2010年は、事業拠点からの要請に応じて、環境本部による監査員教育を計17回実施しました。また、事業拠点内での監査に対する支援を2拠点、拠点間の相互監査に対する支援を7拠点で実施しました。
今後もこうした取り組みを通じて、監査レベルの向上を図っていきます。
- ※ キヤノングループ環境基準
水質や土壌・地下水などの環境16分野にかかわる法律や地域条例の遵守を確実なものとするために、キヤノングループが独自の環境基準として、法規制よりも厳しい基準、基準値などを定めたもの。

環境監査体制
環境法規制対応/リスクコミュニケーション
環境法規制対応マネジメント
キヤノンは、環境法規制を遵守するためさまざまな対応を進めています。
例えば、事業拡大などによって新たに事業拠点の候補地を選定する場合、環境インフラや周辺環境を調査するとともに、過去の利用履歴を含む土壌・地下水の評価を実施しています。
また、世界各地での法規制の変化に対応するため、各地域の統括会社のネットワークを活かして、現行の法規制と立法過程の法規制についてもキヤノン製品への影響について常にモニタリングしています。その結果を環境本部に集約し、分析後に対応方法を決定して、各製品事業本部の開発設計部門などへ周知徹底を図っています。
| 取り組み分野 | 対応項目 | キヤノンの取り組み | ||
|---|---|---|---|---|
| CO2削減(省エネ) | 事業拠点対応 | 温暖化対応の国際条約
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キヤノンの事業拠点活動のみならず、製品ライフサイクル全体のCO2削減に注力しています。 | |
| 製品対応 | 国際的な製品省エネ基準
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『画像機器』省エネ基準V1.1(2009年7月発効)に対応しています。 | ||
欧州のエネルギー使用効率化
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製品の省エネルギーの実施と、エコデザインシステムを改善、各実施規則に対応しています。 | |||
| リサイクル(省資源) | 欧州のリサイクル規制
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現地販売会社では、リサイクルスキームに参加しリサイクルを実施しています。 製品への分別回収マーク表示、ユーザーへの情報提供、リサイクラー(中間処理業者)への情報提供に対応しています。 |
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| 化学物質管理 | 欧州の特定物質規制
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法規制の改正、拡大動向(欧州、中国など)を見据えて、部品・材料の代替や今後の適合宣言制度への準備を積極的に進めています。 | ||
化学品・製品に含まれる物質の登録、評価、認可に関する欧州の規則
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化学品の予備登録を完了。段階的に導入される本登録の義務への対応を順次実施しています。製品に含まれる化学物質について効果的・効率的に把握するため、電気電子業界によるREACH規則対応の仕組みの構築・改善にも積極的に参画。この仕組みにもとづく対応(調査、届出など)を開始しています。 | |||
グリーン調達の標準化
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「製品含有化学物質管理ガイドライン」の普及活動を電気電子機器メーカーの有志企業と連携して積極的に展開しています。ガイドラインの内容に沿った購買管理や工程管理の仕組みなどを自社の「グリーン調達基準書」に盛り込みました。 | |||
| エコデザイン、環境情報の提供・開示 | お客様などへの製品環境情報の提供フォーマット | |||
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欧州のTED(The Eco Declaration)などフォーマット議論に積極的に参加しています。 | |||
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米国のエコデザイン/グリーン購入プログラムであるEPEAT(Electronic Product Environmental Assessment Tool)で進められている画像機器基準議論に積極的に参加しています。 | |||
環境リスクコミュニケーション
キヤノンでは、環境汚染などを未然に防ぐリスクマネジメントを徹底するだけでなく、事業所周辺住民の方々をはじめとするステークホルダーの皆様にリスクとその対策を説明する「リスクコミュニケーション」も重要だと考えています。
そこで、キヤノンは、化学物質排出量の多い事業拠点の実務担当者を対象に、化学物質を扱う際のリスクを知らせるとともに、行政や地域住民の方々へ適切な説明ができるようトレーニングを実施しています。
さらに、各地域の行政・自治体と環境安全管理について継続的に協議しています。
環境教育
キヤノンでは、グループ従業員全員が環境保証の重要性を理解・認識し、日々の業務のなかで主体性をもって取り組むことを目的に、1989年から環境教育を推進しています。
キヤノンの環境教育は、「自覚教育」と「専門教育」の二本柱で構成されています。
「自覚教育」はグループの全従業員を対象に、基本的な環境知識の習得を目的に、4コースの研修を実施しています。
一方、「専門教育」は環境管理に関する専門的な知識をもち、環境保証活動の中心となる人材を育成するために、11コースの研修を実施しています。
2010年の受講者数は、自覚教育が1,717名、専門教育が767名となりました。
| 研修名 | 研修概要 | ||
|---|---|---|---|
| 自覚教育 | グローバル環境教育《自覚》プログラム | グループ従業員全員を対象とした環境に関する基礎的な知識を理解する研修プログラムで、「地球環境問題」「環境保証活動で知らなくてはならないこと」「キヤノンの環境への取り組み」などで構成されています。 | |
| 管理職のための環境マネジメント教育 | 管理職が自職場の業務と環境保証活動とのかかわりを理解し、組織の環境活動に反映させることを学ぶ研修プログラムです。 | ||
| 営業・販売部門向け環境教育プログラム | 主にキヤノングループの国内の営業・販売部門の従業員を対象とし、キヤノン製品の環境特性やグループの環境保証活動について学ぶ研修プログラムです。 | ||
| 海外赴任者向け環境プログラム | 海外赴任者を対象に、環境に関する社会動向やキヤノンの取り組み、法規制など、環境に関する情報をわかりやすく伝えるプログラムです。 | ||
| 専門教育 | 環境監査員研修 | 基礎編 | 初めて監査員になった人を対象とする研修で、環境監査のための基礎的な知識と技能を習得します。 |
| 遵法編 | すでに監査員を経験済みの人を対象とする研修で、監査の力量維持向上を目的に、法規制や条例を習得します。 | ||
| 力量向上編 | 監査員を経験済みの人を対象とした、力量向上のための研修で、事業拠点のニーズに応じて、カリキュラムを設定して習得します。 | ||
| 基礎編2(製品環境) | 事業拠点環境監査または製品の監査員に選任されている人を対象とする研修で、製品環境監査をできる力量を習得します。 | ||
| 製品化学物質保証編 | 環境監査の知識・技能を有している人、内部監査の経験のある人で、製品化学物質保証の内部監査を実施される人を対象とする研修で、「製品化学物質保証」に関する監査に必要な力量を習得します。 | ||
| 製品環境保証物品調査判定者研修 | 各拠点での物品判定の実務担当者、または実務経験を有する人を対象とする研修で、製品化学物質保証の一環として実施する物品調査の概要を理解し、物品調査データの検証・判定方法を、実例研究を交えて修得します。 | ||
| 製品環境保証取引先環境評価者研修 | 各拠点で、今後新たに取引先環境評価を担当する予定のある人を対象とする研修で、グリーン調達での取引先評価における法規制・グリーン調達基準・評価方法の演習を含めて習得します。 | ||
| 廃棄物実務者研修 | 事業拠点の廃棄物処理委託契約書の作成、マニフェスト交付管理をこれから担当される人を対象とする研修で、産業廃棄物処理委託基本契約書の作成演習、マニフェストの交付演習を含めて、実務遂行に必要な法律の知識と実務を習得します。 | ||
| IM(3R対応)環境教育 | 開発・設計の技術者を対象にインバース・マニュファクチュアリングに関する教育を実施しています。 | ||
| 化学物質管理担当者研修 | 事業拠点の各職場での「化学物質」の適正な使用と管理方法を環境と安全衛生の面から習得します。 | ||
| 環境配慮設計標準講座 | メカ系開発・設計担当者を対象とし、環境配慮製品の開発・設計に必要な技術標準類の理解および、関連法規制、製品アセスメント概要などを理解して、製品の開発・設計に活用するためのプログラムです。 | ||