環境への取り組みトップメッセージ

新たなる成長に挑戦し、よりよい未来づくりに貢献する企業をめざします キヤノン株式会社 代表取締役会長 CEO 御手洗 冨士夫

これまでの5年間における主な成果

中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅣ(2011年~2015年)」の5年間、世界経済は低迷し、キヤノンにとっては大変厳しい状況が続きました。しかし、キヤノンはこの状況を新たな成長へのチャンスととらえ、不況にも耐えられる強靭な財務体質の構築に取り組みました。また、映画産業に新たな市場を創出した「CINEMA EOS SYSTEM」をはじめ、現行事業の技術・ノウハウを生かした多角化を進めたほか、オセ社、モレキュラーインプリント社、マイルストーンシステムズ社、アクシス社をグループに迎えることで、商業印刷や次世代半導体製造技術、ネットワークカメラなど、新しい成長力を確保してきました。さらに、生産の自動化やロボット化の促進をはじめ、ものづくり力の強化にも取り組み、2015年は史上最高の売上総利益率を達成することができました。

世界情勢の変化とキヤノンのめざす姿

世界情勢は政治も社会も不透明さを増しており、経済は今後も緩やかな成長に留まると予想されます。例えば、ギリシャなど南欧諸国の債務危機やテロ、紛争、それにともなう難民問題の深刻化、さらには異常気象や自然災害の多発などが社会不安を増大させ、グローバルに事業を展開しているキヤノンの既存ビジネスにさまざまな影響を及ぼしています。
一方で、すべてのモノがインターネットにつながるIoTや人工知能といった技術の進歩により、新たな市場が出現する期待も出てきました。また、世界人口の増加、テロ、紛争、災害の多発により、安心・安全に暮らしたいという社会的ニーズも高まっています。
キヤノンは、こうした世界情勢や産業界の潮流の変化を背景とした新たなニーズや社会課題を、自らの技術革新やビジネスモデルの変革と結びつけることで、国際社会の持続的発展に貢献していきたいと考えています。

「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅤ」をスタート

キヤノンは2016年、「戦略的大転換を果たし、新たなる成長に挑戦する」という基本方針のもと、「グローバル優良企業グループ構想フェーズV」をスタートしました。この計画のもと、これまで重点を置いてきたBtoCに加え、BtoB分野の成長を加速させるポートフォリオ改革を推進することで、2020年末までに連結売上高5兆円をめざしてまいります。
このフェーズVの重点戦略である「新規事業の強化拡大と将来事業の創出」のなかでは、キヤノンの蓄積してきた技術や企業文化との親和性が高く、人々の生活に寄り添う「安心・安全」の領域を成長分野と定めました。今後、M&Aにより強化したネットワークカメラとライフサイエンスを将来の主軸事業として育てていきたいと考えています。
これに加えて、キヤノンの得意とする「ものづくり」では、産業用ロボットや人工知能を活用した自動化技術をさらに進化させた新たな生産システムを確立し、2020年までに原価率45%を実現していきます。

高まる社会の期待や要請に応えるために

昨今、企業に対する社会からの期待や責任は多岐にわたり、企業が果たす役割の重要度はますます高まっています。キヤノンは、1988年に企業理念として「共生」を掲げ、顧客やビジネスパートナーに対してはもちろん、国や地域、自然や地球環境に対してもよい関係をつくり、社会的な責任をまっとうすることを宣言しました。今から四半世紀前、カートリッジのリサイクルプログラムを立ち上げ、環境保証活動に積極的に取り組んできたのはその実践であり、製品ライフサイクル全体での環境保証活動を進めています。また、CSR分野においても、財団活動や社会貢献、文化支援活動を進めるとともに、リスク管理の面から情報セキュリティ、コンプライアンス、ガバナンスの強化に努めています。さらに、調達先の協力を得ながら環境対策や労務管理の確認、紛争地域の人権問題への加担回避など、時代の要請に則した課題にも取り組んでいます。
2015年には、国連にて「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。その達成には、国だけでなく、社会を構成する一員として、企業に対しても大きな期待が寄せられています。課題は広範囲にわたり、いち企業の力で解決できるものではありませんが、私が企業の使命と考えている雇用確保も含め、SDGsが掲げるイノベーションの促進や持続可能な生産形態の創造は、「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅤ」で取り組むテーマとも合致しています。グローバル社会が抱えるさまざまな課題に真摯に向き合い、その解決に尽力することは、キヤノンの企業理念「共生」にかなっており、キヤノンの持続的成長にもつながると確信しています。

社会や地球環境が直面する課題に挑戦し続ける

サステナビリティレポートでは、社会や地球環境が直面する課題に対するキヤノンの考え方や取り組みを多数紹介しています。
環境保証活動はもちろんのこと、将来事業として今後キヤノンが注力していくネットワークカメラやライフサイエンスもグループの成長と社会課題の解決の双方に貢献するものと考えています。さらに、われわれがめざす「ものづくりの自動化技術」も、先進国、新興国どちらにおいても「持続可能な生産」の普及に寄与するはずです。
これからも、キヤノンの特徴である「高度な技術力」「グローバルな事業展開」「専門性のある多様な人材」を有効に活用し、SDGsや「共生」の理念がめざす崇高な未来の実現に向けて、世界中の人々から親しまれ尊敬される真のグローバルエクセレントカンパニーをめざしてまいります。そして、ステークホルダーの皆さまとともに、この先100年、200年と繁栄し続ける企業となれるよう努めてまいります。
今後も、より一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

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