拠点のCO2削減
温室効果ガス削減に向けた取り組み
キヤノンは、地球温暖化問題の重要性を早くから認識し、京都議定書の採択に先駆けて、1996年に「グローバル環境推進委員会」の直轄組織として「事業所省エネルギー専門委員会」を設置。以来、温暖化防止のための技術開発やエネルギー消費の多い生産設備、空調設備の改善などの省エネルギー活動を、グループ横断的に推進してきました。
また、1998年には「PFC(パーフルオロカーボン)等対策分科会」を設置して、CO2以外の温室効果ガスの削減にも取り組んでいます。洗浄や溶媒、噴射剤などに使用していたPFCs(パーフルオロカーボン類)やHFCs(ハイドロフルオロカーボン類)、SF6(6フッ化硫黄)については、1999年までに廃絶しました。半導体製造時に主に排出されるHFC-23(トリフルオロメタン)やPFC-14(テトラフルオロメタン)、PFC-116(ヘキサフルオロエタン)についても、燃焼除害装置の導入によって排出削減に取り組んでいます。
経済情勢の悪化が生産活動に大きな影響を与えるなか、2009年からは、CO2排出量を、生産変動に影響されにくい「固定的に発生するCO2」と、生産変動による影響を受けやすい「生産に連動して発生するCO2」に分類して、予測と実績を管理するスキームを構築し、エネルギーの削減活動を実施しました。
具体的には、「固定的に発生するCO2」の削減のために、省エネルギー効果の高い設備の導入や、待機電力の削減を実施するほか、「生産に連動するCO2」の削減のために、エネルギー設備の集約や効率運転の推進などを実施しました。
これらの結果、2010年の総温室効果ガス排出量は、生産量の回復などの影響も含め、前年比8%増加し、93.7万トンとなりました。絶対量は増加しているものの、省エネルギー化の推進によって、売上高原単位は、前年とほぼ同等でした。また、2010年3月から新たに加わったOcéグループの排出量を加えると、2010年の総温室効果ガス排出量は100.4万トン、売上高原単位は27.1トン-CO2/億円となりました。
今後も、省エネルギー生産技術の強化や生産効率の向上などを進め、温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいきます。

CO2排出量管理のイメージ
2010年の主な取り組み
- 固定的に発生するCO2の削減活動
- 福島キヤノン:成形機の使用電力削減(材料の乾燥温度の最適化など)
- キヤノンマーケティングジャパン:ビル管理会社との協業で、外気温度の変化にリアルタイムに対応した空調運転や、エレベーターの夜間間引き運転など、設備投資をともなわない省エネ活動を実施
- その他、各種設備の適正運転
- 生産に連動して発生するCO2削減活動
- 大分キヤノン安岐事業所、上野キヤノンマテリアル:生産設備の排熱回収
- 大分キヤノンマテリアル杵築事業所、上野キヤノンマテリアル:分級※処理量アップによる処理時間削減
- ※ 分級
トナー生成時に、さまざまなサイズの粒状トナーから、規格を満たすサイズのトナーを選別する操作のこと。
- ※ 分級

総温室効果ガス排出量の推移
| 電気 | ガス | 油 | その他 (蒸気・地域冷暖房) |
|
|---|---|---|---|---|
| MWh | km3 | kL | GJ | |
| 日本地域 | 1,414,191 | 38,510 | 12,700 | 40,752 |
| アメリカ地域 | 77,952 | 2,059 | 58 | 0 |
| ヨーロッパ地域 | 76,678 | 10,923 | 0 | 27,119 |
| アジア・オセアニア地域(除く日本地域) | 396,629 | 1,942 | 919 | 115,596 |
| 合計 | 1,965,452 | 53,434 | 13,677 | 183,467 |
- ※ Oceグループのデータを含む。
| 省エネ施策 | 削減効果 |
|---|---|
| CO2削減量(t-CO2) | |
| 1 新エネ・未利用エネルギー | 717 |
| 2 コ・ジェネレーション、蓄熱 | 0 |
| 3 高効率機器の導入(空調、照明、他) | 4,793 |
| 4 管理強化(ムダの排除、機器能力見直し) | 19,041 |
| 5 生産のプロセスまたは品質改善 | 4,298 |
| 6 制御方法改善(インバーター化、台数制御、他) | 1,338 |
| 7 廃熱利用 | 333 |
| 8 損失防止(断熱・保温) | 33 |
| 9 燃料転換 | 490 |
| 10 その他 | 3,907 |
| 合計 | 34,950 |
環境負荷の少ないエネルギーの活用
キヤノンでは、灯油から電気やLNGへの転換、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの活用など、より環境負荷の少ないエネルギーへの転換を進めています。
例えばキヤノンプレシジョン北和徳事業所では、冷温水発生装置の燃料を灯油から天然ガスに代替しました。また、キヤノン(株)綾瀬事業所では、気温の低い日などには、低温の外気を冷房に利用することで冷凍機の稼働を抑えています。さらに、2010年に竣工した長崎キヤノンでは、工場設備のオール電化に加え、建物外装に断熱性能に優れたサンドイッチパネルを採用することで、消費電力を削減しています。