環境配慮設計の推進

低環境負荷材料の開発

キヤノンでは環境負荷低減をめざし、CO2排出量・資源消費量の抑制など、環境に配慮した製品設計に注力するとともに、環境負荷の低い材料の開発を推進し、製品に採用しています。

温暖化防止に寄与するバイオマスプラスチックの採用

キヤノン(株)では、環境負荷の低い材料として、植物原料由来のバイオプラスチックに着目。2008年には、東レ(株)との共同開発で、世界最高水準の難燃性を誇るバイオマスプラスチックの実用化に成功しました。
2009年には、日本バイオプラスチック協会の「バイオマスプラ識別表示制度」にもとづく「バイオマスプラマーク」を取得し、オフィス用複合機「imageRUNNER ADVANCE」シリーズの外装部品として採用。2010年には、同シリーズの各モデルやレーザービームプリンター「Satera」シリーズにも採用を拡大しました。
また、大型の部品にもバイオマスプラスチックを採用するためにさらに改良を進め、商業印刷機「imagePRESS C7010VP/C6010」では、バイオマスプラスチックとしては業界最大の部品を外装部品に採用しました。
バイオマスプラスチックは、CO2排出量の増加抑制や石油資源の消費量節減などに寄与するものの、石油を原料とした従来のプラスチックに比べて、難燃性、耐衝撃性、耐熱性、成形性などで劣っていたため、用途は限られていました。
今回のバイオマスプラスチックは、新たな材料設計技術と成形技術により、材料特性を大幅に向上。これにより、高い難燃性が要求されるオフィス用複合機の外装部品に、世界で初めてバイオマスプラスチックの採用が実現可能となりました。
環境面については、従来のオフィス複合機に使われている石油系プラスチックに比べ、製造にかかわるCO2排出量を約20%削減できるため、製品のライフサイクル全体でのCO2削減への寄与も期待できます。
また、操作スイッチなど、ユーザーが「触れる部品」にバイオマスプラスチックを使用することで、ユーザーの環境意識を高めるきっかけづくりに役立つものと考えています。
今後もバイオマスプラスチックの改良を重ね、適用範囲や用途の拡大をめざして、さらなる技術開発を進めていきます。

バイオマスプラスチックを使用した部品類
バイオマスプラスチックを使用した部品類

バイオマスプラスチックの環境循環フロー
バイオマスプラスチックの環境循環フロー

ライフサイクルを考慮した環境配慮設計手法の導入

キヤノンは、コストエンジニアリングの仕組みを環境負荷低減につながるよう応用した、新たな環境配慮設計手法を2009年から導入し、製品のライフサイクル全体を考慮した環境設計を追求しています。
具体的には、製品の設計段階において、生産段階や使用段階などのライフサイクルのステージごとに、CO2排出量の削減目標を設定しています。
この手法を用いた結果、2010年に発売したオフィス用複合機「imageRUNNER ADVANCE」シリーズでは、ライフサイクル全体で排出するCO2を従来機比で15~40%削減できました。
今後はこの手法を他の製品にも展開し、さらなるCO2排出量削減を追求していきます。

省資源を考慮した製品設計

キヤノンは、循環型社会の構築に貢献するため、製品の小型・軽量化、リサイクル配慮設計など、省資源製品の開発に注力しています。

小型・軽量化の推進

キヤノンは、製品セグメント別で業界トップレベルの小型・軽量化達成を目標に掲げ、少ない資源でこれまで以上の機能や使いやすさを実現するために、開発段階から製品の小型・軽量化を追求しています。
デザインや機能拡張にともなう設計面での課題を解決しながら、カメラだけでなく事務機や液晶露光装置、医療機器などにもこの取り組みを拡大しています。
2010年は、インクジェットプリンター「PIXUS MG6130」が容積比で従来機比約9%削減、医療用X線デジタル撮影装置「CXDI 70C wireless」が同約30%削減、無散瞳型デジタル眼底カメラ「CR-2」が同約30%削減など、各機種で小型・軽量化を実現しました。

リサイクル配慮設計

キヤノンは、開発・設計段階から、EU(欧州連合)のWEEE指令※1(廃電気・電子機器リサイクル指令)が規定するリサイクル率65%、再資源化率75%の達成を必須としています。※2
その結果、2010年も引き続き、WEEE指令の対象となるすべての製品について、処理容易性※3を含めて、リサイクル率、再資源化率の目標を達成しています。
また、従来から、WEEE指令や電池指令※4などに対応するための廃棄・リサイクルに関する基礎情報を、設計段階から取りまとめていましたが、2010年にはこれら指令にもとづく各国法令や処理スキームに適用される区分・分類にもとづく詳細なデータの提供システムを構築しました。これにより、排出量やリサイクル量の計量が容易かつ正確になり、より緻密なデータ管理が実現できます。

  • ※1 WEEE指令
    WEEEは、Waste Electrical and Electronic Equipmentの略。廃棄される電気電子機器の環境汚染に対する予防を目的に、使用済みとなった機器の回収・リサイクルをメーカーに義務づけるEU指令。
  • ※2 リサイクル率と再資源化率は、WEEE指令のカテゴリー3(ITおよびテレコミュニケーション機器)、カテゴリー4(民生用機器)の製品が対象。
  • ※3 処理容易性
    WEEE指令で指定される分別処理対象部品について要求される、製品本体から容易に解体できるような性質。
  • ※4 電池指令
    環境汚染物質を含む電池の回収・リサイクルの仕組みの構築を義務づけるEU指令。

環境への取り組み

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